審美歯科とは
歯の色や形が周囲と比べて乱れていると、印象がよくないばかりか、年齢よりも老けて見えたりします。
きれいな白い歯は相手に与える第一印象に大きく影響するといわれています。
たとえば、口元に自信がなく、結果として笑顔に自信のなかった方が、歯並びや歯の色を整えただけで笑顔に自信が持て、明るくなったということもあります。
このように見た目だけでなく、精神面にもいい影響があります。
※参考のために、審美的改善には向かない金属などの材料のものも紹介しています。
部分被覆(歯の一部を覆う)
コンボジットレジン
俗に言う樹脂の詰め物です。
料金・治療費 (税別)
保険適用3割負担の場合
約1200円
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- 色が歯に似ているので見た目が良い。
- 治療期間が短い。
(多くの場合、1~2日で治療が終わる)
- 歯を削る量が比較的少ない。
- 金属を使用しないので、金属の溶け出しによる歯や歯ぐきの変色がない。
- 金属アレルギーなどが起こる可能性がない。
- 修理(リペア)が比較的簡単。
- 保険適用なので安価。
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- 時間が経つと変色する。
- 強度が強くないので、噛み合わせが強い場合などでは、欠けたり割れたりする。
- 接着時、湿気に弱いので大きいむし歯には適さない。
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メタルインレー
料金・治療費 (税別)
保険適用3割負担の場合
約4,000円
自費金属の場合
ゴールドインレー
時価
(相場により変動)
プラチナインレー 42,000円~
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- 金属なので強度が強く、強い力のかかる部位にでも使用できる。
- 適合が良く、他の詰め物に比べると、二次的な虫歯になりにくい。
- 軟らかい金属(ゴールド)は歯といっしょに削れるため、反対の歯に対して負担が少ない。
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- 金属なので見た目が良くない。
- 熱伝導性がいいため、しばらく水などが凍みる可能性がある。
- 時間が経つと、歯や歯ぐきの変色、金属アレルギーなどを引き起こす可能性があります。(ゴールド、プラチナは大丈夫)
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ハイブリットインレー セラミックインレー
どちらも白い詰め物ですが、レジンのような早期の劣化はありません。
ハイブリッドインレーとは、セラミック(焼き物)の粒子とレジン(プラスチック)を混ぜたもの、セラミックインレーとは、セラミックのみで作られたインレー(詰め物)です。
ハイブリッドインレーは、セラミックインレーよりもやわらかく、周囲の歯にダメージを与えにくいというメリットがありますが、色調は多少劣り、レジンほどではありませんが経年的に変色します。セラミックインレーは、透明感があり、全く変色しません。
料金・治療費 (税別)
ハイブリッドインレー
26,620円
セラミックインレー
37,510円
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- 見た目が良い。
- 金属を使用しないので、歯や歯ぐきの変色、金属アレルギーなどが起こる可能性がない。
- ハイブリッドインレーは硬すぎないので、周囲の歯や噛み合う歯を痛めにくい。
- ハイブリッドインレーは変色、劣化が少ないがセラミックには劣る。
- セラミックインレーは変色、劣化は全くしない。
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- 保険外治療のため、値段が高い。
- 薄いと欠けやすいため、ある程度削らなければならない。
- ハイブリッドインレーはセラミックインレーよりもガムやプラークが若干つきやすい。
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ラミネートベニア
歯の表面を少し削って、そこに薄いセラミックのシェル(付けツメのようなもの)を貼り付ける治療法です。
レジン治療の変色などの審美的欠点や脱離しやすい構造的欠点を補うことができます。削る量が少ないメリットをもっています。
料金・治療費 (税別)
自費治療のみとなります
100,430円
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- 歯の変色がまったくなく、仕上がりがきれい。
- 被せ物より歯を削る量が比較的少ない。
(歯の神経を取る必要が無い)
- 治療期間が短い。(最短で通院2回)
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- 削る量が少ないとはいえ、健康な歯を削る必要がある。
- セラミックのシェルは薄く割れやすいので、強い力のかかる部位には使用できない。
(ラミネートベニアが使用できるのは、上の前歯だけです)
- 被せ物と違って、歯の形は変えられるが、歯の方向はほとんど変えられない。
- 治療費が高い。
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全部被覆(歯の全部を覆う)
保険用メタルクラウン(銀歯)
冠全体が金属で出来ている、いわゆる「銀歯」です。
保険では「金銀パラジウム合金」が、クラウンに使用できる保険適応の金属として指定されています。
保険では、基本的に前から4番目以降の歯はすべてこの金属冠(銀歯)になります。
料金・治療費 (税別)
保険適用3割負担の場合
約5,000円
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- 金属なので強度が強く、強い力がかかる部位にでも使用できる。
- 保険適応なので安価。
- 詰め物に比べて、外から覆うので、歯が割れたりしにくい。
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- 金属なので見た目が良くない。
- 時間が経つと歯や歯ぐきの変色、金属アレルギーなどを引き起こす可能性がある。
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硬質レジン前装冠
硬質レジン前装冠とは、中身は金属(金銀パラジウム合金)で、外から見える部分にのみレジン(プラスチック)が貼り付けられているクラウン(差し歯)です。
保険で前歯(糸切り歯まで)のクラウンを作る場合には、この硬質レジン前装冠になります。
料金・治療費 (税別)
保険適用3割負担の場合
約9,000円
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- 色が歯に似ているので見た目が良い。
- 中身が金属なので、同じ保険対応のレジンジャケット冠よりも強度が強い。
- 保険適応なので安価。
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- 時間が経つと変色する。(見た目が悪くなってくる)
- 裏側から金属が見える。
- 時間が経つと歯や歯ぐきの変色、などを引き起こす可能性が高い。
- 保険の適応範囲は前歯・犬歯のみで、奥歯には適応されない。
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CAD/CAM冠
CAD/CAM冠とは、ハイブリットのブロックを削りだして作る最新の保険適応材料です。以前の保険適応材料の硬質レジンジャケット冠に比べて強度は増しているため、破折の危険性は少なくなりましたが、色調が単色なうえ、下地が透けてみえるため、金属の土台の場合は使いにくい材料です。
料金・治療費 (税別)
保険適用3割負担の場合
約6,000円
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- 色が歯に似ているので見た目が良い。(硬質レジンジャケット冠には劣る)
- 金属を使用しないので、歯や歯ぐきの変色、金属アレルギーなどが起こる可能性がない。
- 保険適応なので安価。
- ある程度の強度を持つ。
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- 時間が経つと多少変色する。(見た目が悪くなってくる)
- 色調はメタル以外でもっとも悪い。
- レジンの材質上、汚れ(プラーク)が付きやすい。
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硬質レジンジャケット冠
硬質レジンジャケット冠とは、冠全体が「硬質レジン」という歯科用のプラスチックで出来ているクラウン(差し歯)です。
一応保険適用可能ですが、強度的に問題があるので最近はあまり使用されません。前から4番、5番の歯にも保険が効きますが、早期に破折するケースが多い上に、2年以内での保険適応ができないため再作成は自費になることが多いです。
料金・治療費 (税別)
保険適用3割負担の場合
約 4,500円
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- 色が歯に似ているので見た目が良い。
- 金属を使用しないので、歯や歯ぐきの変色、金属アレルギーなどが起こる可能性がない。
- 保険適応なので安価。
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- 時間が経つと変色する。(見た目が悪くなってくる)
- かなり強度が弱いので、奥歯など強い力のかかる部位には向かない。 (ただし、噛み合わせの力に耐えうると判断した場合に限り、小臼歯まで保険可能)
- すり減りやすい。
- レジンの材質上、汚れ(プラーク)が付きやすい。
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ゴールドクラウン
ゴールドクラウンとは、「金合金」や「白金加金」等の貴金属を使用したクラウン(被せ物)です。
金属なので見た目に問題はありますが、適合が良く、柔らかい金属のため、歯に非常に優しい被せ物です。金合金は淡い金色、白金加金は金合金にプラチナを加えたもので、色が銀色に近くなります。
料金・治療費 (税別)
ゴールド・プラチナ共に
17,000円+材料代
※相場に影響されます。
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- 金属なので強度が強く、ほとんどの部位に使用できる。
- 最も適合が良く、二次的な虫歯になりにくい。
- 安定した金属なので、歯ぐきの変色、金属アレルギーなどが起こる可能性が低くなる。
- 比較的軟らかい金属なので、バランスよく磨り減ってくれる。
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- 金属なので見た目が良くない。
- 保険外治療となるので、値段が高い。
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ハイブリッドクラウン
ハイブリッドクラウンとは、セラミックス(陶器)とレジン(プラスチック)を混ぜた材料で作られたクラウン(被せ物)です。
セラミック冠よりもやわらかく、色調は多少劣り、経年的に変色しますが、その分、加工しやすく経済的です。
料金・治療費 (税別)
強度維持のため、メタルベースのみ提供
前歯 50,820円
奥歯 52,030円
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- 色が歯に似ているので見た目が良い。
- セラミックほどコストがかからない。
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- 色調や透明感はセラミックスクラウンに劣る。
- セラミックソクラウンに比べるとプラークやガム、お餅などがくっつき易い。
- 時間が経つと変色してくる。
- 将来的に歯茎が下がって、歯と歯茎の境目が見えてくることがある。
- 保険外の治療なので、値段が高い。
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メタルボンド
メタルボンド冠とは中身は金属で、外から見える部分にのみセラミック(陶器)を貼り付けたクラウン(被せ物、差し歯)です。(陶材焼付鋳造冠とも呼ばれます)
見た目が良く変色せず、強度も強いので非常によく使用されます。
料金・治療費 (税別)
コバルトベース
前歯 75,020円
奥歯 76,230円
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- 色が歯に似ているので見た目が良く全く変色しない。
- 中身が金属なので割れにくく、ほとんどの部位に使用できる。
- ゴールドベースは中身の金属は貴金属なので、歯ぐきの変色、金属アレルギーなどが起こる可能性が低くなる。
- プラーク付きにくい。
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- 色調はオールセラミッククラウンに劣る。
- 裏側からは金属が見える。
- 保険外の治療なので、値段が高い。
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オールセラミックスクラウン
レイヤリングは歯の模様に近く、金属並みの強度を持つジルコニアをベースに作られている最高級セラミックスクラウンです。
e-Maxはベースもセラミックスなので、色の再現性は高いですが、レイヤリングには強度は劣ります。
料金・治療費 (税別)
ジルコニア(レイヤリング)
前歯、臼歯 105,270円
e-Max
前歯、臼歯 100,430円
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- 金属を使用しないので、歯や歯ぐきの変色、金属アレルギーなどが起こる可能性がない。
- 汚れ(プラーク)が付きにくい。
- 自分の歯とそっくりに作れ、非常に見た目が良く、全く変色しない。(茶渋などは取れます。)
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- 衝撃に対して、割れやすい。
- より良い色を出すために、歯を削る量が比較的多くなる。
- 値段が高い。
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オールジルコニアクラウン
Z冠はオールジルコニア冠で色の再現性は低いですが、強度は強く薄く作れるため、奥歯で歯があまり削れない場合に用います。前歯では、模様が再現しにくいため、使いません。
料金・治療費 (税別)
ジルコニア(Z冠)
奥歯 62,920円
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- 金属を使用しないので、歯や歯ぐきの変色、金属アレルギーなどが起こる可能性がない。
- 汚れ(プラーク)が付きにくい。
- 自分の歯とそっくりに作れ、非常に見た目が良く、全く変色しない。(茶渋などは取れます。)
- 強度が強いため薄く作れる。(神経にやさしい)
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- セラミックス系の材料に比べると色の再現性が低い。
- 値段が高い。
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歯を白くしたい
ホワイトニング
ホワイトニングとは、嗜好品や加齢によって黄ばんだ歯に、歯の表面を傷つけることなく歯の中にある色素を分解して歯の明るさを上げて白くしていく方法です。結婚式や、就職活動をされる方など、気軽にトライされています。
歯のホワイトニングには大きく分けると、ホームホワイトニングとオフィスホワイトングに分けられます。
ホームホワイトニング
ホームホワイトニングとは、患者さん自身がマウスピースの中に薬液を入れ、家で毎日数十分~数時間装着し、時間をかけて白くする方法です。
マウスピースは歯形をとって、それに合わせて歯科医院で製作します。
料金・治療費 (税別)
片顎 24,200円
全顎 36,300円
(マウスピース製作料,3週間分のホワイトニング剤、容器込み)
※3週以降はホワイトニング剤(1シリンジ2300円)のみ購入してください。
治療期間
約2~8週間 (希望の白さになるまで続けられます)
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- 自分の思い通りの白さになるまで続けることができる。
- 色が後戻りしにくい。
- オフィスホワイトニングよりも低価格で仕上がりがきれい。
- 自宅でホワイトニングを行なうことができる。
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- 歯が白くなるまで時間がかかる。
- 歯医者さん任せには出来ないので、手間がかかる。
- 歯が凍みたり、歯茎がヒリヒリしたりしやすい。
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オフィスホワイトニング
オフィスホワイトニングとは、歯科医院でホワイトニングを行なう方法です。
高濃度の薬液(主成分は過酸化水素)を使用し、さらに特殊な光を当てて薬剤の効果を高めるため、短期間で歯を白く出来ますが、希望の白さになるまで何回かかかります。
また、オフィスホワイトニングは短期間で歯を白くすることが出来るというメリットがある反面、短期間で色の後戻りが起こりやすいというデメリットもあります。
料金・治療費 (税別)
1本に付き8,470円
※実際には上下12本に対して行うことが多いので、治療費の合計は10万円程度です。
治療期間
通院1回~3回 (個人差と希望により回数は異なります。)
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- 短期間で歯を白くすることができる。
- 全て歯科医師にお任せなので、面倒が少ない。
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- 場合によっては、数回歯科医院に通う必要がある。
- ホームホワイトニングよりも、色が後戻りしやすい。
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このほかにも、上の二つを同時にする「デュアルホワイトニング」があります。詳しくはご相談下さい。